
僕ら× 1st.
第21章 健闘 --Ar,Thk,Kn,Shu
「え、あいつって先鋒?弱いの?」
吉坂組の試合がそろそろ始まる頃。
5人の先頭に立ったヤツは、ピョンピョンと飛び跳ねている。
ご機嫌だな。
「うーん、先にたくさん倒しちゃう戦略かも?すごく強いはずだし」
「へぇ、強いの?」と聞くと、「うんうん」と花野は頷いた。
去年もその前の年も大会はあったけど柔道会場に用がなかったもんだから、そんなのちっともわからなかったな。
「戦略なんて言葉が花野から出るなんて、あんた、格闘技に縁なさそなのに」
格闘技どころかスポーツ全般に縁がなさそうなのに。
窓を閉めようとして自分の指を挟む、典型的なドジっコなんてなかなか見ないわ。
「お兄ちゃんがしてるから」
「え、花野のお兄さんってサマフェスに来てたあの?」
「そう、あの。ほら、礼したっ」
花野は胸の前に握った両手を当てて、試合の様子を固唾を飲んで見守る。
この分だと吉坂、期待してええのんとちゃう?
吉坂組の試合がそろそろ始まる頃。
5人の先頭に立ったヤツは、ピョンピョンと飛び跳ねている。
ご機嫌だな。
「うーん、先にたくさん倒しちゃう戦略かも?すごく強いはずだし」
「へぇ、強いの?」と聞くと、「うんうん」と花野は頷いた。
去年もその前の年も大会はあったけど柔道会場に用がなかったもんだから、そんなのちっともわからなかったな。
「戦略なんて言葉が花野から出るなんて、あんた、格闘技に縁なさそなのに」
格闘技どころかスポーツ全般に縁がなさそうなのに。
窓を閉めようとして自分の指を挟む、典型的なドジっコなんてなかなか見ないわ。
「お兄ちゃんがしてるから」
「え、花野のお兄さんってサマフェスに来てたあの?」
「そう、あの。ほら、礼したっ」
花野は胸の前に握った両手を当てて、試合の様子を固唾を飲んで見守る。
この分だと吉坂、期待してええのんとちゃう?
