
僕ら× 1st.
第22章 遭難 --Shu,Ar
会場全体が息を飲む。
生徒会長の指が静かに動いた後。
ザザザザザ……。
あんなに苦労して積み上げたドミノが、ものの数秒で崩れていく。
残念なようで、この達成感。
俺としては、作るのはもういい……。
設計者の1人…アルは、腕を組んで見守っている。
その横のもうひとりの設計者は、途切れてしまわないかヒヤヒヤしている様子。
自分の設計エリアに入ると、アルは花野ちゃんの表情をチラチラと覗きだす。
花野ちゃんが楽しそうに笑うと、アルの表情も緩む。
その時、要所要所でざわめきつつ控えめだった館内がどっと沸いた。
フィナーレ。
雨が降った上に、大きな虹が架かり、更に青い鳥が飛んで行く。
花野ちゃんも両手を胸の前で合わせて喜んでいる様子。
青い鳥の向かう先には、一面の花畑。
こんな情緒豊かな設計をアルができるなんて。
「マジすげぇ」
「吉坂っ、ありがとう!」
喝采の声渦巻く中、男泣きの設計者も交えて4人でナックルズ。
「吉坂先パイ、見直しました」
「おい、どういう意味だよ?」
アルが怪訝な顔で依田に何かを言いかけたその時、横から押し寄せてきた女子連中にヤツは囲まれる。
「アルっ、おめでとう!」
「大成功だねっ!」
みんな口々にアルの成果を褒めあげる。
「うぅ、っ。一斉に喋るな…。離れろ…押すなよ。俺はお前らとは同極だ」
アルが苦しそうに見上げると、花野ちゃんは控えめすぎる笑顔で首を傾げた。
生徒会長の指が静かに動いた後。
ザザザザザ……。
あんなに苦労して積み上げたドミノが、ものの数秒で崩れていく。
残念なようで、この達成感。
俺としては、作るのはもういい……。
設計者の1人…アルは、腕を組んで見守っている。
その横のもうひとりの設計者は、途切れてしまわないかヒヤヒヤしている様子。
自分の設計エリアに入ると、アルは花野ちゃんの表情をチラチラと覗きだす。
花野ちゃんが楽しそうに笑うと、アルの表情も緩む。
その時、要所要所でざわめきつつ控えめだった館内がどっと沸いた。
フィナーレ。
雨が降った上に、大きな虹が架かり、更に青い鳥が飛んで行く。
花野ちゃんも両手を胸の前で合わせて喜んでいる様子。
青い鳥の向かう先には、一面の花畑。
こんな情緒豊かな設計をアルができるなんて。
「マジすげぇ」
「吉坂っ、ありがとう!」
喝采の声渦巻く中、男泣きの設計者も交えて4人でナックルズ。
「吉坂先パイ、見直しました」
「おい、どういう意味だよ?」
アルが怪訝な顔で依田に何かを言いかけたその時、横から押し寄せてきた女子連中にヤツは囲まれる。
「アルっ、おめでとう!」
「大成功だねっ!」
みんな口々にアルの成果を褒めあげる。
「うぅ、っ。一斉に喋るな…。離れろ…押すなよ。俺はお前らとは同極だ」
アルが苦しそうに見上げると、花野ちゃんは控えめすぎる笑顔で首を傾げた。
