
僕ら× 1st.
第22章 遭難 --Shu,Ar
静まり返った体育館に俺1人戻ってきた時、アルは花野ちゃんがいた席に頬杖をついて座っていた。
1階の壁にもたれる設計者に缶コーヒーを渡した後、2階へと階段を昇る。
「飲む?」
ヤツの頬に冷えた缶コーヒーをくっつける。
「お前…俺、寒いんだけど?」
と、俺を軽く睨む。
12月、熱気が引いて四方のドアというドアを大きく開放した体育館は、外気温とさほど変わらなかった。
「うん。間違って買っちゃってさ」
と、ポケットからホットを出す。
「…混ぜるか。いいとこがあるだろ?」
よかった…。
昔のように"口の中で"ってワイルドな発言じゃなくて。
ニッコニッコとスキップでもしそうな勢いで、ヤツは階段をいっきに飛び降りる。
ドアを開けると、花野ちゃんが出迎えてくれた。
「先パイ。あのドミノ、すごくよかったですっ!」
「だろ?」
先程の監視下とは違って、友好的な彼女に安堵したであろう。
得意そうにニシッとアルは白い歯を見せる。
「雨があがって虹が出て…花が咲いて。青い鳥がとっても可愛かった!ストーリーがあって私、感動しましたっ!」
「…っ、そんな喜ばれると、俺も嬉しいっ」
笑顔のアルは両手をグーにして後ろへずらす。
……抱き締めたいとか、思ってるな?
「ホント、ステキでしたよ…。柊先パイも、お疲れさまです!何か淹れましょうか?」
「ありがと、花野ちゃん。俺ら持ってきたから、コップだけ貸して?この2つ、混ぜるんだ」
不思議そうに同柄2缶を見つめるも、コップを取りに俺たちに背を向ける。
その間に、花野ちゃん用に買ったホットの紅茶缶をアルに渡す。
「お前…どこまでがわざと?」
ふっ。
自販機のボタンを押し間違えたのは本当さ。
1階の壁にもたれる設計者に缶コーヒーを渡した後、2階へと階段を昇る。
「飲む?」
ヤツの頬に冷えた缶コーヒーをくっつける。
「お前…俺、寒いんだけど?」
と、俺を軽く睨む。
12月、熱気が引いて四方のドアというドアを大きく開放した体育館は、外気温とさほど変わらなかった。
「うん。間違って買っちゃってさ」
と、ポケットからホットを出す。
「…混ぜるか。いいとこがあるだろ?」
よかった…。
昔のように"口の中で"ってワイルドな発言じゃなくて。
ニッコニッコとスキップでもしそうな勢いで、ヤツは階段をいっきに飛び降りる。
ドアを開けると、花野ちゃんが出迎えてくれた。
「先パイ。あのドミノ、すごくよかったですっ!」
「だろ?」
先程の監視下とは違って、友好的な彼女に安堵したであろう。
得意そうにニシッとアルは白い歯を見せる。
「雨があがって虹が出て…花が咲いて。青い鳥がとっても可愛かった!ストーリーがあって私、感動しましたっ!」
「…っ、そんな喜ばれると、俺も嬉しいっ」
笑顔のアルは両手をグーにして後ろへずらす。
……抱き締めたいとか、思ってるな?
「ホント、ステキでしたよ…。柊先パイも、お疲れさまです!何か淹れましょうか?」
「ありがと、花野ちゃん。俺ら持ってきたから、コップだけ貸して?この2つ、混ぜるんだ」
不思議そうに同柄2缶を見つめるも、コップを取りに俺たちに背を向ける。
その間に、花野ちゃん用に買ったホットの紅茶缶をアルに渡す。
「お前…どこまでがわざと?」
ふっ。
自販機のボタンを押し間違えたのは本当さ。
