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僕ら× 1st.

第22章 遭難 --Shu,Ar

「キモい虫だらけです」

眉をひそめて依田が言った。

……そうか。
少しずつ濃くなってきているこれは、殺虫剤の臭いか。

「まず、ここを離れよう」

ドアや窓にテープで目張りをかける教師たちに任せて、花野ちゃんマコちゃんも連れて俺は駐車場に避難した。

追って連絡していたアルが走ってくる。

花野ちゃんに近づこうとするアルに寄って、先に依田と説明した。

「もう、足の多いアイツとかMr.Gとかウヨウヨしてます」

「なんでそんなっ?」

「それは、憶測でしかありませんが…」

依田はアルを見て、それからの掘り下げはしなかった。

ああ。
王子が姫を抱き締めてたもんな。

このクリスマス前に強力な牽制を加えようって魂胆だよな。

「誰の仕業っ?」

栗田からネーゼの名前は聞いていたが、何せ証拠がねぇ。

「なぁ、俺の…せいなのかっ?」

拳を握ったアルは、自分に目も合わせようとしない花野ちゃんを見つめた。

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