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僕ら× 1st.

第22章 遭難 --Shu,Ar

~本條柊side~

2人を病室に残して、和波さんとコンビニへ歩く。

「早かったね。どうやってここまで来たの?」

「レシプロ軽で……内緒すよ?」

「ふふっ。そっか、飛んで来たか」

エレベーターに乗り込み、ドアを閉める。
1階へ。

「和波さんもでしょ?もしかしてジェット?」

「そう。花野はあんまり乗るの好きじゃないんだけどね。この天気なら、空の方が快適だろ」

マッハはなくても、俺らの2倍以上の速度だもんな。

「ですね」

「あのさ。明日退院ならの話だけど、どっちか一緒に俺たちと乗って帰ってくれない?」

「え?ジェットに?」

「7人乗れるんだけど。俺、操縦席だし。花野が怖がるから、横に誰かに居てほしいなと思って…墜ちないようには注意するから」

それは願ってもない申し出かも…。

「いや、えっと……それなら、2人とも乗せていただいても?」

俺はアルから離れるわけにいかねぇから。

「でも、また取りに戻らなきゃだろ?」

それは大輔にでも任せよう。

「その辺は大丈夫です。花野ちゃんと一緒なら、アルも喜びます」

「ホント?」

喜ばないわけないって和波さんも知ってるだろ?
花野ちゃんが怖がってるなら尚更。

「絶対にホントです。こっちが頼みたいくらいです。ありがとうございます」

「いや、こちらこそ。来てくれてどうもありがとう。助かるよ」

買い物をして、部屋に向かう。
近づくと開いたドアから2人の笑い声が聞こえてきた。

そのまま進むと、幸せそうな表情のアル。

こいつからこんな顔を導き出せるなんて、花野ちゃんってすげぇな。

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