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僕ら× 1st.

第23章 タリオ --Shu,Khs,Ar

「誰かに呼ばれたのもシナリオってわけか。アル先パイからのだって知ってたのね……」

声を潜めてマコちゃんは話しだしたが、途中でアルに悪いと思ってか口をつぐんだ。

フォローに入ろうと、とりあえず話題を繋ぐ。

「ええと、あの2人って学校に来てる?」

ちらっとアルを見ると、眉間にシワを寄せて神妙な面持ちで黙りこくっている。

「来てるよ、当然のように。先生も2人の悪行を知ってるのに、責めたりしないし…」

晄志が忌々しそうに吐くと、森ちゃんから訂正が入った。

「2人じゃなくて3人よ?黒幕は理事長の孫娘:3年のネーゼ。2人は言われた通りに動いた…。あ、ブレスレットはあの2人の判断らしいけど」

「何だって?」

ネーゼ、要注意の女…。
そいつが、手を引いていたのか。

「C組の先生は知ってるわよ。あの2人が泣きながら訴えてたもん。それだから、表には出てないでしょ?」

「世の中、力だよな」

大人は当てにならないと、森ちゃんと晄志は頭を振る。

まあ、立場があるからな。
力なき者は保身第一も悪くはねぇ。
葛藤しても小利口に生きていかなきゃ、守りたいものも守れねぇ時代だ。

所詮、この世は弱肉強食。
きれい事を並べても。

守りたいものがあるならば、強くなるしかねぇんだ。

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