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僕ら× 1st.

第23章 タリオ --Shu,Khs,Ar

「宮石がやられたら、即やり返すってこと?」

「うーん。本当は"何かされる前に未然に防ぐ"が理想だよな」

と、伊織は壁にもたれて目を閉じた。

「話しは戻るけどさ」と伊織が苦く笑う。

「正義は立場によって変わるんだ。お互いが自分にとっては全てが聖戦。俺だって蚊を叩き潰したことは何度もある。蚊にとって俺は、許しがたい悪鬼だろな。

それより俺はさ、鐘をつくのが何故ここにきて牛なのかがわかんないな。羽のある連中に混じって牛…飛ばないだろってなんない?
てか、"誰がやるの?"じゃなくてさ、全部みんなでしなよって思う。讃美歌なんて特に、みんなで歌えよ?って」

ああ、もう歌詞の根本からね。

俺に正面きってマトモに接してくれる。
こんなヤツいない。
これから先もずっと…………。

白い螺旋で包まれた宮石の片足。
「もう全然痛くないの」と彼女は笑う。

なあ伊織、お前ならどうする?
宮石に危害を加えようとする連中から、どうやって守る?

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