
僕ら× 1st.
第23章 タリオ --Shu,Khs,Ar
***
スキー研修から1ヶ月程経った今日は、卒業証書授与式。
在校生たちが、その先のグラウンドに集まる中、まだ足が治りきっていない宮石と俺はゲートをくぐっていく卒業生を見守る。
行列の向こうから柊兄がニコッと手を振る。
その後方に、ひょっこり顔を突き出すアル兄が見えた。
「おめでとうございます」
通る卒業生に声をかけられて頭を下げる彼女。
手を差しのべられると握手に応じる。
それを快く思わない男、吉坂侑生…。
つかつかと列を乱して、やって来る。
宮石に手を伸ばして掴んだと思ったら、いきなり担ぎ上げた。
「えっ?先パイ!下ろしてくださいっ!」
「吉坂!何してんだ?」
それに気づいた教師たちが走ってくる。
「晄志、またなっ!」
俺の肩をポンと叩いて、アル兄は駆け出す。
「依田!あのアホ、止めろ!」
と、望月の指示を受け、俺はアホ兄…いやアル兄を追いかけた。
前にも思ったけど、アル兄って細いのに力があるなぁ。
宮石を抱えてよくあそこまで早く走れるよ…。
スキー研修から1ヶ月程経った今日は、卒業証書授与式。
在校生たちが、その先のグラウンドに集まる中、まだ足が治りきっていない宮石と俺はゲートをくぐっていく卒業生を見守る。
行列の向こうから柊兄がニコッと手を振る。
その後方に、ひょっこり顔を突き出すアル兄が見えた。
「おめでとうございます」
通る卒業生に声をかけられて頭を下げる彼女。
手を差しのべられると握手に応じる。
それを快く思わない男、吉坂侑生…。
つかつかと列を乱して、やって来る。
宮石に手を伸ばして掴んだと思ったら、いきなり担ぎ上げた。
「えっ?先パイ!下ろしてくださいっ!」
「吉坂!何してんだ?」
それに気づいた教師たちが走ってくる。
「晄志、またなっ!」
俺の肩をポンと叩いて、アル兄は駆け出す。
「依田!あのアホ、止めろ!」
と、望月の指示を受け、俺はアホ兄…いやアル兄を追いかけた。
前にも思ったけど、アル兄って細いのに力があるなぁ。
宮石を抱えてよくあそこまで早く走れるよ…。
