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僕ら× 1st.

第23章 タリオ --Shu,Khs,Ar

「ここに乗り込んでくるか?」

振り向くと、アル兄が俺たちを苦い目で睨み付けていた…。

本当に口説いてたのか?
アル兄は宮石の右手を握って接近体勢。
彼女は顔を背けて嫌がってるみたいだけど…。

「よっ!首尾上々?」

明るく柊兄が片手を挙げて挨拶する。

「お前ら、この上なくバッドタイミン。なぁ、花野ちゃん。こいつら無視してもっかいさっきの台詞言ってくれよ?」

「……紅茶ありがとう」

「ちっがーう!その後に言ってくれた言葉だよっ!それ、大分巻き戻ってるし!」

宮石、何を言ったんだろ。
だけど、そんなの聞きたくないな…。

「あのっ、柊兄もアル兄も、グラウンド行かなくて平気?絶対、待ってるよ?」

「…俺、卒業式は3年前で懲りた。これ、制服じゃねぇし、ボタンむしられるの困るんだ。なっ?このスーツ、花野ちゃんのお気にだもんなっ!」

「まあまあ…」

「"まあまあ"じゃねぇだろ?ん?」

「カッコいいですよ?吉坂先パイに、柊先パイに、依田君も」

俺も?
この2人の中に加えられて、お世辞でもその気遣いに嬉しかったりして。

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