
僕ら× 1st.
第23章 タリオ --Shu,Khs,Ar
程なく宮石の兄…和波さんのクルマが駐車場に到着し、アル兄がごねる中、宮石は帰っていった。
「…捕まえたと思ったのに、一気に昇華…霧消。必要十分条件はそろったってのに。否、まだ必須項目が抜けていたか、萌えスーツだったのに…」
プツプツと何事かを沸き上がらせるアル兄で。
「何をほざいてんだ。変人学者が」
そのままアル兄は後部座席に寝転び、妙な動きを始める。
「お前っ!……もうっ……」
チラッと後ろを見た柊兄が呆れ果てた声を出す。
「花野ちゃんの匂いっ、花野ちゃんのぬくもりっ!」
「ダメアル全開だな」
俺も変な笑いを噛みしめて呆れる。
宮石がいたシートに顔を擦り寄せたいのはわかるけど、それを正直に言葉にする?
「花野ちゃんの微粒子っ!」
ああ、もう勝手にやっとけ…。
「さて、……あれ?出発していいのか?晄志、手ぶら?」
柊兄が俺の装備を尋ねる。
「あ、鞄……。宮石も忘れてるっ……」
今日は先パイの卒業式で授業はないから大した荷物じゃないけれど、定期や財布やスマホは教科書より大切。
俺は教室に戻って宮石と自分の鞄を取り、2人のクルマに引き返した。
「…捕まえたと思ったのに、一気に昇華…霧消。必要十分条件はそろったってのに。否、まだ必須項目が抜けていたか、萌えスーツだったのに…」
プツプツと何事かを沸き上がらせるアル兄で。
「何をほざいてんだ。変人学者が」
そのままアル兄は後部座席に寝転び、妙な動きを始める。
「お前っ!……もうっ……」
チラッと後ろを見た柊兄が呆れ果てた声を出す。
「花野ちゃんの匂いっ、花野ちゃんのぬくもりっ!」
「ダメアル全開だな」
俺も変な笑いを噛みしめて呆れる。
宮石がいたシートに顔を擦り寄せたいのはわかるけど、それを正直に言葉にする?
「花野ちゃんの微粒子っ!」
ああ、もう勝手にやっとけ…。
「さて、……あれ?出発していいのか?晄志、手ぶら?」
柊兄が俺の装備を尋ねる。
「あ、鞄……。宮石も忘れてるっ……」
今日は先パイの卒業式で授業はないから大した荷物じゃないけれど、定期や財布やスマホは教科書より大切。
俺は教室に戻って宮石と自分の鞄を取り、2人のクルマに引き返した。
