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僕ら× 1st.

第23章 タリオ --Shu,Khs,Ar

次の瞬間、かすれる声で呼ばれてドキッとする。

「吉坂先パイ。私、先パイが卒業しちゃうの、寂しい。……私、本当に甘えてもいいの?先パイのこと、好きになっても、いいの?」

っ!
突然何を言うんだこのコは一体っ。

「あっ、あったり前だろ?……てか、俺はもっともっと花野ちゃんに甘えてほしいし、俺のこと好きになってくれたらどんなに嬉しいかっ!」

どんなに俺がキミを求めているか!
そんなのわかってるだろっ?

"好きになってもいいの?"ってことは、もう"俺のこと好き"ってことだろ?

「花野ちゃんとキス、したい」

そう言うと、彼女の瞳は少し見開いて俺を見つめたあと軽く泳いだけど、そっと閉じられた。

「…花野ちゃん、好きだ…」

彼女に近づき、唇を少し伸ばしかけ。

卒業式の今日は、俺のファーストキス記念日になるはずだった。

のに。
なのにっ!

そこで思いっきりドアが開き、遠慮なく乗り込んでくる野郎2人。

一瞬の間ののちも構わず続けようとする俺を、彼女は片手で拒んだ。

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