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僕ら× 1st.

第23章 タリオ --Shu,Khs,Ar

と、和波さんの胸に飛び込んできた。
花野ちゃんが……。

「タディっ!私っ!学校に戻らなきゃ!」

和波さんを見上げて訴える。

「ハニィ、お客様の前だぞ?それに足もまだ治ってないんだから!転んだらどうするの」

そんな花野ちゃんの両肩に、和波さんは優しく手をかける。

「あ、ごめんなさい。騒がしくしてすみませんでした」

こちら側を向いてぺこりと頭を下げる。
1秒、2秒……。

ゆっくり顔を上げた花野ちゃんは、ようやく俺たちに目をあわせた。

「あれ?」

「お邪魔してるよ」

垣間見た甘えっコの妹バージョンに、思わず俺も歯を見せる。

「鞄を届けてくれたんだよ」

俺がドアを大きく開けて、彼女に部屋の中の鞄を見せると、花野ちゃんは口元を押さえて喜んだ。

「わぁ!ありがとうございますっ!今ね、気づいて慌ててたの」

「うん、わかる」

「吉坂先パイ、柊先パイ、依田君、ありがとう!」

再度頭を下げる彼女の手は、今も和波さんの胸元で。
和波さんの手も未だ彼女の肩。

見つめながら、俺は返す。

「いいの。また会えたから…」

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