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僕ら× 1st.

第24章 グレートホール --Thk,Ar,Tk

「お前、それいいの?」

足を組みかえて彼は尋ねてくる。

「私以外のコとの行為は、ひとりエッチの延長だって言うのよ」

私にはどうも理解できひんくて。

「エッチでバイブ使ったりするでしょ?それが生身の男になっただけだって言うんだけど」

「詭弁だな」

私のモヤモヤした気持ちを一蹴する。

「割りきれるんなら、いいんじゃね?」

「でも、吉坂は嫌なんでしょ?」

すると彼は声を荒げる。

「当ったり前だ!目の前で他の男のモノいれられるなんて屈辱以外の何ものでもねぇっ!」

「うわ、マトモ。じゃ、吉坂と彼女以外の女2人は?」

「俺は彼女としか嫌!女2人で勝手にレズってくれ」

「見てほしけりゃ見てやる」と偉そうに言うんやけど、それはどうなん?
途中から参加したくなるんやない?

「今まで彼女以外とシたことないの?」

「……ねぇよ」

ぷいっとそっぽを向く。

「間があったけど?花野には黙っててあげるわよ?」

鬼畜衆道と噂されてた吉坂の私生活なんて知らないけど。

「るせぇ。お前はどうなんだよ?」

イライラと立ち上がりその辺を歩きだす。

「だから相談してんでしょ?」

「断れよ?別れりゃいいだろ、そんな男」

それができればこんなに悩まない。

「でも、普段は優しい人なのよ?」

俺が本気なのは桃湖だけと、その言葉を私は信じてしまっているけど……。

「知るか。寂しいなら、次の彼氏ができるまで柊とつきあえば?」

は?本條柊?
あのプレイボーイと?

「何でよっ?」

「柊って、大事にしてくれると思うよ?だから彼女が多いんだ」

「それ、大事にされてないでしょ?」

「その一瞬は心から大切に思われてるはずだ。セックスもうまいだろし」

やっぱり吉坂も男でしかないんね。
十把一絡げなんてまっぴらゴメンやわ。
今の状態とさほど変わんないじゃない。

「お断りします」

「おおそーか」

「俺に策なし」と、吉坂はドアから出て行こうとした。

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