
僕ら× 1st.
第24章 グレートホール --Thk,Ar,Tk
でも吉坂も大学生。
だったら花野とはなかなか会えないか…。
なら今日暫くは預けてあげるか、と優しい私は声楽関係の本を鞄から出して読むふりを始めた。
「花野ちゃん。俺、卒業式のあの続きを何度も夢に見るんだ。で、目が覚めてとても苦しくなる。花野ちゃん、責任とって?」
卒業式のあの続き?
「俺もうあれで、花野ちゃんと想いが通じたと思ってる。違うなんて言わせねぇ」
ふーん、何かあったんやぁ。
「兄貴とイオと…柊はどうでもいいけど。俺のこと、好きなんだろ?俺といるとドキドキすんだろ?」
「うん……」
「じゃ、花野ちゃんとつきあえるの、俺しかいねぇな。俺、花野ちゃんのこと誰よりも大切にするよ?」
吉坂ってめげないなぁ。
その本の中程に絵つきで説明のあるヨーデル発声をそっと練習してみる。
ファルセット(裏声)は結構得意な方なんだけど、短時間の繰り返しはまだまだ。
と、そこへ力強い吉坂の声が聞こえてきた。
だったら花野とはなかなか会えないか…。
なら今日暫くは預けてあげるか、と優しい私は声楽関係の本を鞄から出して読むふりを始めた。
「花野ちゃん。俺、卒業式のあの続きを何度も夢に見るんだ。で、目が覚めてとても苦しくなる。花野ちゃん、責任とって?」
卒業式のあの続き?
「俺もうあれで、花野ちゃんと想いが通じたと思ってる。違うなんて言わせねぇ」
ふーん、何かあったんやぁ。
「兄貴とイオと…柊はどうでもいいけど。俺のこと、好きなんだろ?俺といるとドキドキすんだろ?」
「うん……」
「じゃ、花野ちゃんとつきあえるの、俺しかいねぇな。俺、花野ちゃんのこと誰よりも大切にするよ?」
吉坂ってめげないなぁ。
その本の中程に絵つきで説明のあるヨーデル発声をそっと練習してみる。
ファルセット(裏声)は結構得意な方なんだけど、短時間の繰り返しはまだまだ。
と、そこへ力強い吉坂の声が聞こえてきた。
