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僕ら× 1st.

第24章 グレートホール --Thk,Ar,Tk

「だから。花野ちゃん、今日から俺の彼女な!これ、断る方が失礼だぞ?」

あれ?私聞き飛ばしたっけ?
何が失礼やって?

「え?」

断言されて花野も唖然としている。

「な?じゃねぇと俺に会えなくなるぞ?寂しいぞ?」

寂しいのはあんただろっ?
メールが繋がっただけで、何でこんな強気になってんのよ?

「私、まだ迷ってるの…」

以前も言ってたなぁ。
"伊織君が帰ってきてから考えたい"とか。

それだけ花野の中の速水は色濃くて。

だけど吉坂にそんな言い訳は通用しない様子。

「俺にこんなに好かれちゃったんだから、もう諦めろよ。俺、しつこいよ?」

確かにしつこいし、何だその脅し文句は。
でも、花野も隙見せてるからなぁ…。

「…うっぅ…ん…?」

首を傾げて考えているように見えたんやけど。

「よしっ、決まり!もう離さないから」

決まり?

「今のやり取りで何で決まったの?」

吉坂の一方的な口上を聞いていたであろう本條を窺うけど、ヤツはニヤっと吉坂を援護する。

「いいんじゃね?アルと花野ちゃんって相性いいと思うよ」

そうは言っても…さすが我が道をひた走る吉坂。

「くくく」と笑いながら本條は机から下りた。

「花野ちゃん、ずっと一緒にいようね」

吉坂はプロポーズみたいな台詞とともに、花野の頭をいとおしそうに撫で回した。

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