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僕ら× 1st.

第24章 グレートホール --Thk,Ar,Tk

今日はその鞄の花野ちゃん。
俺と手を繋いで歩く。

「キャー、まだ空いてる!ラッキー」

「ふふ、よかったな」

彼女と並んで長椅子に座る。
あ、もっと寄ればよかった。

でも俺、彼女とくっついたら抱き締めてキスしたくなるんだよな。
周りなんてどうでもよくなって。

だって、めっちゃ可愛いんだし。

はやる気持ち、他の男はどうやって隠してるんだろ。

そして、どこでキスしてるんだろ。
2人きりになれる場所がなかなかなくて、俺は未だ彼女にキスできないでいるのに。

そんな俺の心内を知らずに、彼女は時計を確認し、鞄のポケットから水族館のパンフを取り出して何やらチェック中。

授業中の花野ちゃんってこんな感じなのかな?

俺が彼女の横顔を見ていると、横に年配の女性がやってきた。

「あら、カッコいいお兄ちゃん。そこちょっと詰めてくれる?」

「あ、はい」

意識せずにすんなり彼女に近づけた。

「おおきに。お兄ちゃん、ホント男前やなぁ」

「ご主人程ではありませんよ」

俺はにこやかに対応する。

「わぁ、うまいこと言うわぁ。お兄ちゃん、大学生?」

「はい」

「そうなんかぁ。横のコは?彼女やろ?年下?」

「はい。2コ下です」

「へぇ、いいなぁ」

「おい、お前もう邪魔すんなや」

ご主人が、女性を小突いて注意する。
その気持ち、わかるなぁ。
俺も花野ちゃんには他の男と喋ってほしくない。

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