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僕ら× 1st.

第24章 グレートホール --Thk,Ar,Tk

と、その女性が彼女の方に手を伸ばして呼ぶ。

「ちょっとお姉ちゃん!」

「え、私ですか?」

彼女はひらひらと動いた手に気づいて、びくっと顔を上げた。

「そう。…わ、あんた、べっぴんさんやな。けど、彼氏ほっといたらあかんよ?寂しそうやったよ?」

「えっ、あ、ごめんなさい」

寂しくないわけでもないけど彼女の隣にいられれば特には、さ。

「いや、大丈夫っ。これ、貰った」

ケーキの包みを手渡すと、ニコォとして礼を述べる。

「わぁ、ありがとうございます!美味しそう!」

花野ちゃん、警戒心ゼロ。
そりゃこれは俺から渡した物ではあるけど、今後は気をつけさせなきゃな。

「いいっていいって。うちらも、もろてん」

「試食やから気にせんといてな」

その夫婦はそろってデレッと顔をゆるめる。
似た者同士だ。

と、女性側がそれを指摘する。

「ちょっと!若くて可愛いからって何鼻の下のばしてんねん!」

「お前も、若くてイケメンやからって絡みすぎや!」

楽しそうな2人。

「ふふっ。仲いいですね」

俺と花野ちゃんもこんな関係になれるだろうか?

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