
僕ら× 1st.
第24章 グレートホール --Thk,Ar,Tk
それから30分程過ぎた同じ場所。
熟年夫婦に礼と別れを告げて、濡れたコンクリの上を一緒に歩く。
「セイウチショー、予想以上に面白かった」
あの進行役の2人、漫才師かと思うくらい最高っ。
「うんっ!侑生君、のけぞってて面白かった~」
セイウチのくしゃみのような大粒鼻シブキが飛んできたら、誰だってああなるぞ?
「面白かったのは俺?」
「ふふ。あっ、ジェンツーさんが散歩してる!」
見ると、通りの向こうからペンギンがもったらもったらと身体を揺らして行進して来た。
「可愛いねぇ」
こちらに来る手前で鋭角に右折し、ほぼ一列に並んだ黒く短い尻尾を目で追う。
その後ろ姿を見て、俺は気がついた。
「花野ちゃんってペンギンとそっくりだな」
白い小粒ドットの入ったネイビーのシャツワンピ。
膝でトタトタ歩けば、さっきの行進に紛れ込めそう。
「ホント?」
俺の冷やかしに喜んでるんだけど。
「こんな感じ?」
腰に両手を添えて手首を背屈させ、歩きだす。
そして、笑顔で俺に振り向く。
マジで可愛い過ぎだろ。
俺が「うまいうまい!」と拍手すると、彼女は心底嬉しそうな顔をする。
花野ペンギンの手を取りながら、俺たちの掛け合いも悪くないと、これが俺たちなんだと、そう思った。
熟年夫婦に礼と別れを告げて、濡れたコンクリの上を一緒に歩く。
「セイウチショー、予想以上に面白かった」
あの進行役の2人、漫才師かと思うくらい最高っ。
「うんっ!侑生君、のけぞってて面白かった~」
セイウチのくしゃみのような大粒鼻シブキが飛んできたら、誰だってああなるぞ?
「面白かったのは俺?」
「ふふ。あっ、ジェンツーさんが散歩してる!」
見ると、通りの向こうからペンギンがもったらもったらと身体を揺らして行進して来た。
「可愛いねぇ」
こちらに来る手前で鋭角に右折し、ほぼ一列に並んだ黒く短い尻尾を目で追う。
その後ろ姿を見て、俺は気がついた。
「花野ちゃんってペンギンとそっくりだな」
白い小粒ドットの入ったネイビーのシャツワンピ。
膝でトタトタ歩けば、さっきの行進に紛れ込めそう。
「ホント?」
俺の冷やかしに喜んでるんだけど。
「こんな感じ?」
腰に両手を添えて手首を背屈させ、歩きだす。
そして、笑顔で俺に振り向く。
マジで可愛い過ぎだろ。
俺が「うまいうまい!」と拍手すると、彼女は心底嬉しそうな顔をする。
花野ペンギンの手を取りながら、俺たちの掛け合いも悪くないと、これが俺たちなんだと、そう思った。
