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僕ら× 1st.

第24章 グレートホール --Thk,Ar,Tk

「侑生君、依田君。コーヒー入ったよ?」

花野が呼び掛けると、2人はおとなしく椅子に座る。

と、居松が吉坂に話しかける。

「吉坂さんって、もう人外レベルの追っかけとは切れたんですか?凄かったんでしょ?」

吉坂の噂は知ってたんだ。

「もう飽きたんじゃね?俺には可愛い彼女がいるしっ!」

大学ではどうなのか知らないけど、高校生みたいに幻想ばっかじゃなくて、現実男子とつきあうコも増えるだろうから、下火になったのかな?

笑顔の吉坂は、花野の肩を抱き寄せて顔を近づけようとしている。

「ダメよ、侑生君。ほら砂糖入れる?依田君も」

無糖派らしく、吉坂は自分のカップに手をかざして砂糖の混入を防ぐ。

「花野。ここでキスしよ?」

「何を言い出すのっ?」

変な展開に花野が吉坂を警戒しだす。

「花野さん。こんな子どもっぽい男、やめといたらどうです?」

居松が挑戦的に吉坂を睨む。
花野を、好きなの?

「愛嬌があるでしょ?侑生君が設計するドミノは夢があってとっても凄いのよ?」

「ドミノが決め手?」

確かに凄かったけど、ここは武道大会での勇姿を披露した方がいいのでは?ってことは置いといて。

吉坂に"救えねぇ"で片付けられた仕返し。

「押しきられて仕方なくよね?」

あれは、モテ男だからこそできる強引な口説き方。
尊大さにかけては速水より上。

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