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僕ら× 1st.

第25章 in WL --Shu,R

~世尾湊side~

束の間の帰国。

彼女の舞台を見たくって。

そして、俺はアリスの手を引いて走る。
体育館裏手から運動部の倉庫へ。

ごったに入った用具をくぐり、高い跳び箱の奥で止まる。

「はぁはぁっ。世尾さんっ、どうされたんですか?」

「ごめん。何もしないから、しばらく一緒にいて?」

息を乱すアリスの横でドアに意識を向ける。
大丈夫、追っ手はない。

彼女の息が次第に整っていく。

「世尾さん?」

可愛いドレスの成長したキミ。

"何もしない"と言ったばかりなのに。

嫌われてもいいから、キミの唇を奪いたい。
キミの全てを……。

そんなこと許されるはずがない。
彼女を守りたいのに、お前が傷つけてどうする?

俺は左の手首を強く握って、痛みに集中しながらその場に座り込んだ。

そんな俺を彼女は可愛く覗く。

「何かあったんですか?」

「ん…ヤキモチ」

舞台の上でアル兄は、隠れてキミに何度もキスをした。
キミは拒否しながらも仕方ないなぁと照れていた。

妬かないわけ、ないじゃないか。

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