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僕ら× 1st.

第25章 in WL --Shu,R

~本條柊side~

大学からの帰り道、和波さんと合流した俺たちはのんびり歩く。
アルが花野ちゃんと少しでも長くいたいから。

「みんなお疲れさま。楽しませてもらったよ」

そう言う和波さんも、花野ちゃんにアルがキスしたの見たんだろな。
兄貴としてはそういうの、気にならねぇのかな?

「吉坂君、あのコウモリはどうやったの?」

和波さんは早速、アルに質問を投げかける。

「あの星のですよね。あれは軍手を細工したもので、返すとコウモリになるんです。時計はスポンジでできてるので抱きこむと小さくなるから。それごと糸で釣りました」

「コウモリの手でつかんで時計を食べたように見せかけたってこと?」

「そうです。バックにレンズを貼って全反射した画像と入り乱れさせたんです」

「レンズも使ってたの?元々、キラキラしてたから俺、全然気づかなかったよ。ヤマネの居松君がポットに押しこまれたのは?」

ヤマネ?
ふーん、あれはネズミじゃなかったのか。
ま、俺的にはどっちでもいいけど。

で、兄貴はアルが花野ちゃんの肩を抱いても、微笑むだけでスルー。
マジックの種明かしの方が気になるか。

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