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僕ら× 1st.

第25章 in WL --Shu,R

BBQ会場の河川敷には、すでにアルコールを含んで顔を赤くした輩が散乱していた。

喧嘩を始める者、繁みでいちゃつくカップル。
向こうの方ではバーニングヘアに盛り上がる小集団。

騒ぎを聞きつけて、ワン公が来るんじゃねぇか?

「花野ちゃん、連れて来なくてよかった」

アルが心底ほっとした顔で呟く。

「挨拶だけして、帰ろうぜ」

俺の意見に3人とも同調する。

空手部先パイは食事中だった。
焼きすぎた肉をクチャクチャと噛んでいるところ「お疲れさま」と声をかける。

「おう、吉坂!今日はありがとう!あれ?彼女は?」

噛みきれなかった肉を、ぷっと地面に吐き出して喋る。

「帰ったよ」

「なあんだ。宮石ちゃんにビール注いでほしかったな」

「もし来てても、はべらせるか」

そうだ。
あんたが花野ちゃんにお酌させるなんて100億年早ぇ。

「んだよ?機嫌悪いな。可愛い女のコいるぞ?お前なら選り取りみどりだろ。気に入ったらお持ち帰りしていいぞ?柊、1人で何人も持ってくなよ?」

先パイ、大学に入って毒されたな。

「ああ。今夜は俺、先約があるから」

「相変わらずな野郎だな。じゃ、楽しめ!」

先パイが去った後、俺たちはクルマに引き返した。

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