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僕ら× 1st.

第26章 ディスポ --Shu,R

2人とも診察終了とのことで、俺たちと長椅子に並ぶ。
俺と居松に挟まれていたアルは、花野ちゃんの横に腰を降ろしかえて尋ねる。

「診察でエロいこと、されなかった?」

ええっ?と驚く花野ちゃんに、和波さんがクっと笑う。

「侑生君、脚の具合はどう?」

和波さんから聞いたのであろう、花野ちゃんにそう尋ねられるも、きょとんとしているアル。

「脚?ああ、尖った小石踏んだ時はすっげ痛かったな。バレてた?」

「え?穴空いてない?」

「平気平気!かえって強化されたよ」

気遣われて気分良さげなアルは、彼女に裸足の指を片方ずつピコピコと動かして見せた。

肩と足趾が折れていた晄志は現在、固定処置中だという。

書き終えた問診票を救急受付に渡すと、数分で居松が呼ばれた。
その後、俺、そしてアル。

目に光を当てたり、口の中を覗いたり、胸と背中に聴診器を当てられたりといった普通の診察だった。

それで出てきたアルだけど、浮かない顔。

「胸の音がおかしいっつわれた」

へ?
春の健診では良好そのものだったのに?
何か吸い込んだのか?

「え?苦しいの?」

立ち上がった花野ちゃんが、心配そうにアルに近づく。

「全然、自覚症状なし。レントゲン撮ってくる」

アルと2人長い廊下を進む。
売店を抜けて郵便局を曲がった先の長椅子に俺たちは腰掛け、呼ばれるのを待った。

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