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僕ら× 1st.

第26章 ディスポ --Shu,R

「そういや、さっき消防車とかたくさん走ってたな。何の爆発?」

「それはよく知りません。焼肉店らしいので、引火したんでしょうか?運ばれた1人が、吹き飛ばされたドアにぶつかったとかで骨折してましたけど、まあ、若いから治りも早いと思います」

詳しくは知らされてない、か。
そして晄志、骨折で済んでよかったな。

「そうなんだ。怖いね。……じゃあ、病院的に大変なんじゃないの?」

「この病院は小規模ですからね。重体は医大に運ばれますよ。それに俺は短時間、派遣されただけなんで」

短時間派遣?
そこに不自然は感じないのか?こいつ…。

「いつもはどこに?」

「地元の方で細々と。今回、条件のいい働き口が見つかって。その条件が、今日の診察だったんです」

「条件?そんなのあるんだ?腕試しってこと?」

技量なんて、そんなのわかってるよな?
医者なら出身大学があるわけで、履歴書を見て元勤務先の顔馴染みに尋ねることだって可能かと…。

縦割り社会の中から弾き出されたのか?
人が良さそうだけど。

で、まだ住所入らないの?
……いや、今のそれ…ここから550km西になってるぞ……俺と旅行する気か?
あ、間違いに気づいた…。

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