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僕ら× 1st.

第26章 ディスポ --Shu,R

何度目かの訂正入力でWの別宅の1ヵ所が浮かび上がり、わかりやすい安堵の息を漏らす男。
「ここにお願いします」と言った後、その手帳に殴り書きしたWの指示を見せてくれる。

って、俺は字が読めないって言ったよな?
実際は読めるけど……いや、達筆すぎて読めない。

自分でも、自分で書いた字をぱっと読めないんだろ?
だから何度も入力し間違えたんだろ?
数字までも…。
特に4なのか9なのかがわからない。

こんな男の書くカルテ……。
電子カルテじゃなきゃ医者できないよ、こいつ…。

俺が難しい顔をして手帳を眺めていたため、やっと思い出したらしく、「読めないんでしたね」とヤツは口を開いた。

「でも変なんですよ。吉坂って男性が救急で来たら、悪いところがなくてもレントゲン室に誘導するよう指示を受けました」

アル兄を?
…何のためだ?

レントゲン室にいるのは、技師じゃないのか?

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