
僕ら× 1st.
第4章 風速0.64kt --Ar
次の水曜日…合唱部か。
木曜日…軽音だ。
あれから一週間の金曜日…いたっ!
俺は火曜日と同じ場所に陣取り、ピアノを聴く。
壁に寄りかかりながら、最近凝りだしたプログラミングの本を開く。
陽が次第に落ちてくる頃、ふとピアノの音が止んだ。
パタパタという足音のあと、音楽室のドアが開いたので俺はとっさに目をつぶる。
トイレにでも行くかと思っていたその足音は、こっちに近づいて来て、こともあろうに俺の前で停止する。
首を60度ほど曲げて苦しそうに横たわってる俺。
見られてるよな。
右手から本が落ちそう…。
「あの…風邪引いちゃいますよ?」
聞きおぼえのある女のコの声がして、俺の耳がぴくっと反応する。
けど、目を開けられねぇ。
「毛布、使ってくださいね」
と同時にふわっと身体がおおわれる。
あ、やっぱり花野ちゃんがかけてくれてたんだ。
今、すっげぇ話しかけるチャンスなのに。
俺が喋ると、どうして女のコは泣くんだろ。
ありがとうくらい言っても大丈夫だよな?
木曜日…軽音だ。
あれから一週間の金曜日…いたっ!
俺は火曜日と同じ場所に陣取り、ピアノを聴く。
壁に寄りかかりながら、最近凝りだしたプログラミングの本を開く。
陽が次第に落ちてくる頃、ふとピアノの音が止んだ。
パタパタという足音のあと、音楽室のドアが開いたので俺はとっさに目をつぶる。
トイレにでも行くかと思っていたその足音は、こっちに近づいて来て、こともあろうに俺の前で停止する。
首を60度ほど曲げて苦しそうに横たわってる俺。
見られてるよな。
右手から本が落ちそう…。
「あの…風邪引いちゃいますよ?」
聞きおぼえのある女のコの声がして、俺の耳がぴくっと反応する。
けど、目を開けられねぇ。
「毛布、使ってくださいね」
と同時にふわっと身体がおおわれる。
あ、やっぱり花野ちゃんがかけてくれてたんだ。
今、すっげぇ話しかけるチャンスなのに。
俺が喋ると、どうして女のコは泣くんだろ。
ありがとうくらい言っても大丈夫だよな?
