
僕ら× 1st.
第27章 牛、歩く --Mkt,Ar
ピィーとレンジが鳴り、居松が扉を開ける。
「あ、祐一朗君。熱いから、アレ使ってね」
炊飯器をセットした次には、手にレタスを持った彼女が、壁にかかっていたミトンを指差す。
"ユウイチロー"って俺?と思ったら、居松が「はいっ」と可愛くねぇ返事をした。
ヤツが取り出すと、皿にピタッと張ったラップには細かい水滴がびっしり付着していて、高温が見てとれる。
「あ、そっか。お前って、祐一朗だったなぁ。なっげー。俺の3倍の仮名数じゃねぇか」
ニンジンの皮を剥きながら居松に確認する。
初対面で名前は聞いてたけど、そんなのすっかり忘れてて。
さっきは俺の名前を花野ちゃんがアレンジして呼んだのかと思った。
この間、"侑一朗"って偽名を作ったばっかりだし。
「じゃあ短くして"祐"って呼んでください。ところで、ニンジンまだ?」
もひとつ忘れてた。
こいつ、生意気だった。
「アホ。何で俺と一緒なんだよ?お前は"イチ"だ」
「侑生、祐と。俺は、柊」
「ギャラリー柊、そんなのいいから俺を手伝え」
「あ、祐一朗君。熱いから、アレ使ってね」
炊飯器をセットした次には、手にレタスを持った彼女が、壁にかかっていたミトンを指差す。
"ユウイチロー"って俺?と思ったら、居松が「はいっ」と可愛くねぇ返事をした。
ヤツが取り出すと、皿にピタッと張ったラップには細かい水滴がびっしり付着していて、高温が見てとれる。
「あ、そっか。お前って、祐一朗だったなぁ。なっげー。俺の3倍の仮名数じゃねぇか」
ニンジンの皮を剥きながら居松に確認する。
初対面で名前は聞いてたけど、そんなのすっかり忘れてて。
さっきは俺の名前を花野ちゃんがアレンジして呼んだのかと思った。
この間、"侑一朗"って偽名を作ったばっかりだし。
「じゃあ短くして"祐"って呼んでください。ところで、ニンジンまだ?」
もひとつ忘れてた。
こいつ、生意気だった。
「アホ。何で俺と一緒なんだよ?お前は"イチ"だ」
「侑生、祐と。俺は、柊」
「ギャラリー柊、そんなのいいから俺を手伝え」
