テキストサイズ

僕ら× 1st.

第27章 牛、歩く --Mkt,Ar

冬に水着を売ってる店ってなかなかなくって。
遠出して専門店が入るショッピングビルへ。

到着まで俺は、後ろの席で彼女と会話。

「侑生君の水着は何色?」

「黒。少し模様があったと思うけど、覚えてねぇ」

「黒か…私、似合うかなぁ?」

花野ちゃんは、黒は…悪くはないけど、背伸びし過ぎ感があるかもな。
黒でも細かいドットとかならいけるかも。
いやぁ、でも俺としては白地に黒ドットがいいな……ほぼ白の。

で。

「あれ?ここのドット、他のよりおっきいな」トップに突き出たピンクのドットに触れると、彼女から甘い声が「あんっ」……。

「ん?カタくなった?」つまんでクニクニとすると、また彼女が「あんっ」…。

はぁっ。
何か興奮してきた…。

いけね、妄想は帰ってからにしよ…。

ええと。
黒が似合うかどうかって?
それじゃ、これまでの水着はどんなんだったんだろ?
伊織ニヤニヤの水着なんだよな?

「花野ちゃんの前の水着は何色?」

「ブルーだったの。でももう2年くらい着てなくて。お兄ちゃんも留学だし」

ん?
伊織じゃなくてお兄ちゃん?

「お兄ちゃん?関係あるのか?」

俺が尋ねると、当然であるかのように彼女は話す。

「お兄ちゃんと温泉に行く時は水着いるでしょ?」

「え?いや、そうなのか?」

男所帯の俺にはわからないだけなのか?
水着で兄貴と温泉?

和波さんも?
温水プールじゃねぇのか?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ