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僕ら× 1st.

第27章 牛、歩く --Mkt,Ar

フィッティングルームに消えた花野を待つ間、店員が話しかけてくる。

「まさに美男美女ですね……。整えたら、どっかの雑誌に載れますよ」

彼女のことを褒めてくれるのは嬉しいけど。

「俺、ああいう澄ましたの嫌い」

「そうですか?うちの水着モデルとかお2人でやってもらいたいくらいですよ?」

「やだよ。彼女の水着姿を晒すなんて。どっかのエロ男がかきだすじゃね?」

そんでポスター剥がして、身体中を指でいじったりさ。
そんなん、俺がしてぇもん。
他の男もしたいに決まってる。

「健康的なショットしか撮りませんよ?」

「健康的が一番エロい。彼女の体操服姿なんて生唾だぞ?」

俺も数えるくらいしか見たことがない。
至近距離では一度もない。

彼氏なのに!

今度、着せてみたいなぁ。
過去の遺産の女子体操着:ブルマ……。

「侑生君…。今度は何を考えてるの?」

俺がこっそりニヤニヤしてると、フィッティングルームのカーテンから顔だけ覗かせた花野が、可愛く俺を睨んだ。

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