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僕ら× 1st.

第27章 牛、歩く --Mkt,Ar

俺厳選の画像アルバムを繰り、彼女は頬を染める。

「侑生君、本当すごいカッコいい。真剣な表情に痺れちゃう」

目をキラキラさせて俺を見る彼女。
思わず抱き締めたくなるのをぐっとこらえる。

「も、もう1台はさ。ピアノ弾けるんだ。そのうちここに運ぶから、見てやって?」

「えっ、ピアノも?ものすごく器用なんだねぇ!楽しみっ!すごいなぁ、侑生君は」

や、やっぱ、可愛いっ。

「花野ちゃん、キスしていい?」

言っちゃったよ、俺。

「……ん」

俺の方向に顔を上げて目を閉じる花野。

アルロボに手をかざして"マスター警戒解除"を指示した俺は、彼女の唇にかぶりつくように自分の唇を合わせた。

「ん…ふ……」

花野の髪をとき、口内をまさぐるように舌を動かす。

「…はぁ…んっ…」

花野の舌に自分のを絡める。
柔らかくてトロッとしていて、気持ちいい……。

「はぁっ…大好き……」

きっと俺、すごく物欲しそうに花野を見てる。
……ダメだ、可愛すぎる。

目をぎゅっとつぶり、俺は彼女から離れた。
ピコピコと緑のランプを点滅させるアルロボの横で、元気になったアイツをたしなめる。

「そろそろ送るよ」

疼く感情にアッパーを食らわせて、俺は彼女にコートを渡した。

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