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僕ら× 1st.

第27章 牛、歩く --Mkt,Ar

彼女を送った後、ハンドルを握る柊が話し出す。

「花野ちゃんさ、ヴァージンじゃね?」

「うーん。でもイオとつきあってただろ?」

あの音楽室での会話からすると、もしかしてという気持ちはある。
でも俺だけじゃなくて、あれを聞いていなかった柊までそう思うのか?

「抵抗がきついから…。そんな気がする。今日の花野ちゃんのあの態度からしても」

「……まさか」

痛くないか心配していた彼女。
マコちゃんたちとの会話を全部聞いた訳じゃないから、俺の都合の良い勘違いな気もしていて。

「俺はそう思うよ?だから、がっついて無理強いしちゃダメだ。少しずつ解いていけ」

どっちにしても、無理強いをする気はねぇけど。

「お前とが初めてなんだ。もしかしたらキスもな」

キスも?
そりゃねぇだろ?

それに確認するにも、どうすりゃいいんだよ?
「初めて?」→「ううん」→で、気まずいじゃねぇか!

「なら、イオは何をしてたんだよ?」

「演奏だろ」

…………。

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