テキストサイズ

僕ら× 1st.

第28章 カーバンクル --Ar,Kn

~宮石花野side~

今春から、侑生君とのおつきあいが始まった。

伊織君と声が似てるからだけじゃなく、スーツ姿がカッコいいだけじゃなく、まっすぐに私を想ってくれている、その心が嬉しくて。

夏祭りの日は身体を張って守ってくれて、青い鳥が飛んだドミノは今でも目に鮮やかに思い出せて、雪山で遭難した時は病院まで駆けつけてくれて。
もう、彼なしでは考えられないほど大切になっていて。

初めは迷いもあったけど、侑生君との日々は楽しくて。
私より2つ年上なのに、時々すごく子どもっぽくて可愛くて。
でも、やる時はやるスマートな彼。

不思議の国のマジックダンスショーは、再演を望む声が出るほどの高評価だった。
その夕方のお店爆発にはびっくりしたけど。
そんな中でも頼れる彼で…。

ほとんど祐一朗君が作ったシチュー。
私は野菜を切っただけ…おいしいドレッシングをかけただけなのに、喜んでくれた。
うっかりミスも笑い飛ばしてくれた。

侑生君の隣に居るだけで嬉しかった。
ふたりで過ごして、ふたりで笑って。

それがとても心地よかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ