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僕ら× 1st.

第28章 カーバンクル --Ar,Kn

車内での彼は、あれからすっごく触ってくる。

シウ(柊)君がいるのにっ!
急展開にドキドキの私が心を落ち着けようとしてるのにっ!

パシパシと彼の手を叩いていると。

彼のスマホが鳴ると同じに、シウ君がクルマを停める。

私からも見えた。
2人のおうちから昇る煙とちらつく炎。

「今、俺らが一番しなきゃいけないことは、花野ちゃんを無事に送ること」

私に、優しくしてくれる2人。
今、大変なのは自分たちなのに。

「今日、どこで寝るの?」

もし部屋が焼け残っても、水浸しなはず。
そう尋ねると、ニシッと笑ってこう言った。

「親戚の家。よく泊まりに行ってるから布団もあるんだ」

よかった。
和波お兄ちゃんに説明して、うちに2人泊まってもらってもよかったんだけど。

冬休みになった今、帆澄お兄ちゃんが帰ってきてるからなぁ。
去年の夏に、男と出歩くなんてと咎められたこともあって、ちょっと会わせづらいんだよね……。

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