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僕ら× 1st.

第28章 カーバンクル --Ar,Kn

~吉坂侑生side~

舞い戻った俺たちは、直接吉坂本邸にクルマを乗り入れる。
親父の部屋には、本條、小柴が揃っていた。

「2人とも悪運強えな」

親父の第一声に、ブチッと切れる。

「あんたらのクソったれな血筋だからな」

親父に心配してほしいなんて、もうとっくの昔に思わなくなったよ。

「放火?」

柊が尋ねると、小柴が頷いた。

「犯人は、漫喫で寝泊まりしていた10代の男。5000円で誰かに依頼されたらしい。だが依頼者がわからん」

まじかよ?
5000円で俺の初めてのクリスマスイヴニングを壊してくれたっての?

「もうサツに?」

自分の手で引き裂いてやりたいのに。

「任意を受けてゲロったからな」

小柴も忌々しそうに答える。

「早っ」

俺と柊は同時にハモった。

と、小柴のポケットからベルが鳴る。
「わかった。今から2人と行く」と2言で切った小柴は、俺たちに声をかける。

「さ、見に行くぞ。一応無くなったものがないかチェックしろ」

小柴について、燃えた現場に遠回りの早足で向かった。

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