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僕ら× 1st.

第28章 カーバンクル --Ar,Kn

「そんなこと言って、マコは何を合わせたの?」

さっきから鼻に突き抜ける香りを放つ、マコの手元には。
ティートリーとペパーミントとユーカリのボトル。
すっごく刺激的で目が覚める感じなんだけど…。

私のことを指摘するなら、せめてマコの名前の花:ジャスミンを入れようよ?
合うと思うんだけど。

「もう花粉症の季節だもん。冴えざえトリオ!これでしょ!」

「…効きそうだけど、逆にくしゃみが出そう」

いや、ホントに。
くんっと嗅いで、きゅーっ…とやってきたその予感に、私は鼻の頭の中腹を指圧してやり過ごす。

すると、「あんたの鼻、押すとぺったんこね…」と、横から見ていたマコが笑いだす。

「え?みんなそうでしょ?」

ぺったんこって言っても、凹むのは2/3くらいだし。

「ないない。ちょっと触らせて?……うわぁ、柔かぁ…骨入ってない!」

「や、やめて…鼻水が出るから!」

笑うマコに隠れてティッシュで拭った。

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