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僕ら× 1st.

第28章 カーバンクル --Ar,Kn

蜜ろうとホホバオイルを温めて、シアバターを入れる。
小さな容器に移して、できあがりに精油を垂らす。

「できたね!」

作ったハンドクリームを固まるまで置き、ペパーミントが主張するその部屋で、ヨーグルトムースを食べる。
……何だか歯磨き粉を食べている気分。

そうしてる内に、マコは先程の話題を蒸し返してきた。

「でさ、アル先パイとどうなの?」

「ん。いいと思うよ?毎日連絡くれるし」

「…花野から誘ってみたら?この部屋で」

「そんなそんなっ!」

両の手を思いっきり横に振った。
私としては、ここで立ち止まっていたいのに。
それに、仮にそんな気持ちになっても私から誘うなんてっ。

「マコは誘ったりするの?」

「康史は誘う前にヤりたがるから。会えば触ってくるし」

…そうなんだ。

「ねぇ、マコ。何か準備したりするの?」

私、今まで実感がなかったけれど、いざそうなるってなった時に、こんな私で大丈夫なのか、もうどうしようって焦って焦って。

「準備って?」

「いやあの…。毛とか…」

そう言うと、吹き出すマコ。

「私は、ある程度カットしてる。毛先がチクチクならないシェーバーがあるの。就職してお金が貯まったら全身脱毛もしたいんだけどね」

「そうなんだ。シェーバーね…」

ネットで探してみよっかな。

「ね、花野っ。その時は一緒にクリニックに行こ!ひとりでは心細いし。あんたより私の方が就職するの早いだろうけど、大丈夫でしょ?」

「え?…いくらかかるの?」

「あまり調べてないけど、全身脱毛パックとか狙いたいな。VIOも込みで」

「VIOって、、ええーっ?」

水着で困るVだけかと思ってたけど。

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