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僕ら× 1st.

第28章 カーバンクル --Ar,Kn

「それでもね、私は康史のことをカッコいいと思うし、康史だって私だけを見てくれるし、ね。アル先パイも、もっと花野のことを好きになってくれるって。前にも玲香とそんな話したでしょ?」

「うん。でも、そうかなぁ?」

「私が太鼓判押したげる。花野ならワイルドに毛むくじゃらだって、アル先パイは受け入れる!先パイったら花野にぞっこんだもん」

毛むくじゃら…ですか。
ラッコに似てるとは言われたけど……。

ああ、ホントにラッコだったら、こんなことで悩まなかったのに。

落ち着くために取り敢えず私は、空になったお皿にオレンジの精油を振りかけてみた。

あー、癒されるっ。

「…滝沢君とマコのがラブラブで仲良いよ。信頼しあってるんだね」

「それはお互いに弱味を見せて、受け入れあってるからだと思わない?」

「ふたりが素敵だからだよ」

「ふふ」と笑うマコは余裕で。
私もそうなりたいと感じた。

踏み出すのは怖いけど、ある程度の覚悟はしてる。

クリスマスも成るに成れって思ったけど、間があいて、また色々と考えちゃって。

注射もね、待たされると余計に怖いんだよね……。

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