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僕ら× 1st.

第28章 カーバンクル --Ar,Kn

***

カントリーな店内で、彼女と対面の席。
BGMがうるさすぎないのがいい。

耳に入ってくる歌詞、"You are 16 going on 17(キミは16才、もうすぐ17才)…"。
おぉ、今日にぴったりじゃねぇか?
後続はよく聞き取れねぇけど。

胸元の花を触って喜ぶ彼女に尋ねる。

「花野ちゃんって、あんまり甘いの食べないの?」

「え?甘いの好きよ?」

「いや、もっとクリームたっぷり系を選ぶかと思ったから」

紅茶もノンシュガーだし。

「私、生クリームより、チョコとかフルーツが好き」

「そうなんだ……。クッキーとか好きなら、スコーンは?俺、おいしい店知ってるから今度行こ?カノンっての」

「……いいですね!」

答えるまでに少々の間があったな。
それにその目の動き。
伊織と行ったか……。
行ってないとこの方が少なそうだもんな。

「敬語使ったら、キスだったよな?」

優しい表情を作れないまま俺は立ち上がり、隣の椅子に移動する。

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