
僕ら× 1st.
第4章 風速0.64kt --Ar
ひとりの生徒が教室に駆けこんできた。
花野ちゃんと一緒に作業をしていた男に声をかける。
「ヨーダ。風キツイから、表の看板片せって。今後、最大瞬間風速20mだって」
なるほど窓の外では、ときおりゴーっという音とともに風が走りぬけている。
台風の強風域にすでに入っているということか。
じゃ、寮生以外は、今のうちにみんな強制帰宅だな。
「それって分速なの?」
それを横で聞いていた彼女が……。
何だって?
「宮石。今、"分速"って言った?」
おう、俺も聞き間違いかと思ったよ…。
分速20m→秒速0.33m…人それぞれかもしれないけど、そよ風とも言えねぇだろ?
「あのさ。20mって、廊下のこっからあそこらへんまでだけど、1分かかるか?風速っていったら秒速だよ!秒速っ!分速20mって、ほぼ、凪だ!」
看板の片付けを依頼されているマスターが、俺たちのいる廊下に身体を半分だして、彼女に説明する。
「えっ?そっか、私より遅いわけないもんね。あそこまで1秒か…速いね」
花野ちゃんも廊下に身を乗りだしてきて、こっからあそこらへんと言われたあたりに視線を往復させる。
その時、俺はマスターと目があった。
あれ?俺、睨まれた?
「その説明、わかりやすいね!」
そう言われて、俺から視線をはずしてニコッとするマスター。
この男は花野ちゃん狙いだよな…。
花野ちゃんと一緒に作業をしていた男に声をかける。
「ヨーダ。風キツイから、表の看板片せって。今後、最大瞬間風速20mだって」
なるほど窓の外では、ときおりゴーっという音とともに風が走りぬけている。
台風の強風域にすでに入っているということか。
じゃ、寮生以外は、今のうちにみんな強制帰宅だな。
「それって分速なの?」
それを横で聞いていた彼女が……。
何だって?
「宮石。今、"分速"って言った?」
おう、俺も聞き間違いかと思ったよ…。
分速20m→秒速0.33m…人それぞれかもしれないけど、そよ風とも言えねぇだろ?
「あのさ。20mって、廊下のこっからあそこらへんまでだけど、1分かかるか?風速っていったら秒速だよ!秒速っ!分速20mって、ほぼ、凪だ!」
看板の片付けを依頼されているマスターが、俺たちのいる廊下に身体を半分だして、彼女に説明する。
「えっ?そっか、私より遅いわけないもんね。あそこまで1秒か…速いね」
花野ちゃんも廊下に身を乗りだしてきて、こっからあそこらへんと言われたあたりに視線を往復させる。
その時、俺はマスターと目があった。
あれ?俺、睨まれた?
「その説明、わかりやすいね!」
そう言われて、俺から視線をはずしてニコッとするマスター。
この男は花野ちゃん狙いだよな…。
