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僕ら× 1st.

第28章 カーバンクル --Ar,Kn

ヤツが出て行った後、倉庫をノックする。

「花ぁ野ちゃんっ。出ておいで」

そのまま倉庫に入り込んで、さっきの続きをしたくもあったけど。

少し間をあけて、彼女がカチャッとドアを開けて顔を覗かせる。

「ごめんな、我慢できなくて…。俺、拒まれなくてすっげ嬉しかった。また触るけど、ゆるして?」

キョロキョロと音楽室の中を見回す彼女だったけど、俺しかいないことに安心して「はぁっ」って。

ため息?

「…倉庫はもうやめてね?」

仕方ないなぁって感じで、恥ずかしそうな上目遣い…っ、かっわいいな。
倉庫じゃなきゃオッケーって言ってるのと同じだもんな。

「じゃあ、車内で…?」

「車内もダメ」

やっぱそうか…。
柊運転の車内が一番安全なんだけどな。

夜は門限があるから無理だし。
それに、うちの連中が暗視スコープ持ち出しそうで。

「家は工事中だし。じゃ、どこで…あっ!男子トイレ?または、使ってない教室!」

「ええっ?」て顔をする彼女だけど、そのうち俺、連れ込んじゃうかも。

だって、他にないんだもん。
隠れて花野ちゃんにイタズラする場所が。

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