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僕ら× 1st.

第29章 侑生BD --Hzm,Ar

「…お前童貞だったか?」

「そうだよ。あんま言いふらすなよ?」

無神経アルが、恥ずかしそうに俺を睨む。

彼女がいなくても遊ぶ連中が増えてくる中、頑ななヤツもいたもんだ。
好きなコ以外にキョーミないのか。

ああ、こいつの好みって機械だもんな…ICチップが内蔵された。

処女な機械女…。
それでも痛いよな?

こいつの表現が狂ってるだけで、れっきとした女のコなんだろうし……きっと。

とは思うものの、俺の脳裏にはあるSF物語のヒロイン:機械化された女のコしか浮かばなかった。

そんな俺に、尋ねてくる。

「兄貴の初めてってどんなだった?」

「覚えてない」

…あれは臨時教師だったな。

「いつ?」

「中1だったかな」

資料室に呼び出されて、俺が食われたわけで。

「早っ」

「お前が遅いんだろ?」

今、思うと情けない。

「兄ぃ、やりまくってんだな」

好きなコと初めてを捧げあえるお前の方が、俺は羨ましいよ。

ファーストキスだってもう、誰としたのか…唇の感触しか残ってない。
最後にしたのがハニィってことしか、覚えてない。

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