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僕ら× 1st.

第29章 侑生BD --Hzm,Ar

***

ぺーぺー俺の休日。
早朝から自宅で資料整理に追われていると、近くを通ったからって同期の圭がやって来た。

「何か荒れてんね?」

ヤツは持ってきた白い箱を、とっちらかった俺の机に置くに置けず、持ったまま椅子の上に座る。

「んなことない。慣れないことで、わちゃってるだけ」

「彼女が寂しがってたよ。最近、そっけないって」

「そっか」

俺に彼女って、まだいたっけ…?
も、清算済みなはずだけど?

そんなことよりも、俺は仕事をしてんだ。
と、態度で訴えていたら鋭く突かれる。

「妹ちゃんに彼氏でもできた?あの花火の時の?」

俺は「関係ない」と首を横にしたけど。

「帆澄、女に困らないくせに。惚れた女が妹ちゃんだなんて災難だな」

ヤツは俺の秘密にズカズカと入り込んでくる。

「惚れたなんて一言も言ってない」

だいたい、妹と一緒にいるところを、お前に見られた覚えはない。

「プレゼント買ってる時から、気づいてたよ。めっちゃ幸せそうな顔で選んでたじゃん?」

…いつだよ、それ?
リィの留学中じゃないか。。

どんな顔してたんだ?俺…。

と、圭は俺のデスク上にある家族写真を指差す。

これじゃわからないだろ?と思ったけれど、圭の見るその角度から、くっきりと見えた…。
俺のキスマーク……。

「ちっ。俺は、お前にバレたことが災難だよ」

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