テキストサイズ

ウサギちゃんとオオカミ少年

第2章 僕がウサギと呼ばれる理由


僕は不思議なメガネを持っている。いつか行ったフリーマーケットで手に入れたそれは、嘘を言った大まかな回数が見えるメガネ。

本人の勘違いならカウンターが増えない。故意に嘘を言った時だけ増える。

同じ嘘なら何度言っても増えないみたいけど、嘘を上塗りすると増える。

因みに僕のカウンターは2桁後半に入った所です…。



幼稚舎からあるマンモス校の高校に僕は入学した。僕が、この泉野高校を選んだのは私服が許されてるから。エスカレーター式に入学した子が殆どで、皆顔見知りだから僕1人浮いてる気がしていた。

この学校で人気者なのは新谷君。彼のフェイスブックの『いいね!』の数は4桁を越える人気ぶり。

皆が彼の事をどれだけフェイスブックで追いかけても、僕だけが知っている事。そう、それは彼が嘘をあまり言わないって事。



僕は個性的な服が好きで、ユーズドモノも気にせず着る。ある日お気に入りの帽子を被って学校に行ったら、新谷君に声を掛けられた。
「それはフィンの帽子?」

「フィン?なにソレェ~」
僕の知る限り新谷君の3人目の彼女が猫なで声を出す。そんなブリっ子してても僕の目は…イヤ!僕のメガネはごまかせない!君は人より少し嘘つきだ!

「知らないか…?アドベンチャータイムって言うアメリカのアニメの主人公の帽子。どこで売ってたんだろ?」

知らずに買って被ってたけど後で調べたら本当に、そのフィンの帽子だった。その後僕は、その帽子をトレードマークになるくらい被り続ける。

「知らなぁ~い、でもウサギの耳みたいで可愛いねぇ~」

超が付くほどの人見知りな僕は、その場から逃げ出した。正しく脱兎のごとく!


 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ