テキストサイズ

ウサギちゃんとオオカミ少年

第3章 モテ男子


「さっきゴメンね…なんか気を悪くした?大丈夫?」
次の授業は体育。隣のクラスの新谷君に声を掛けられ、一緒に校庭へ向かう。

僕は首を横に振り
「違うよ。只…恥ずかしかっただけ…です」

「ハハッ!恥ずかしい所なら、俺の方が見られてるじゃん」

カラリと笑う新谷君をよそに、僕は自分の顔が赤く成るのが分かるくらい熱くなる。恥ずかしい所なんて見たっけ?僕は思わず、あらぬ想像をしてしまったのだ…。

「入学式の日…女の子に叩かれた所」

はっ!思い出した。



入学式の日─────

僕は校内で迷子になっていた。曲がり角の手前で声がする。

「好きです…あの…付き合って貰えませんか?」

「う~ん…君の事よく知らないし…今は好きとか無いけど大丈夫?」

「はいっ!」

「んじゃ…手…ちょっと貸してくれる?」

「え?何で?」

「先ずは肌が合う合わないが有るでしょ?合わないのは問題外だし」

ペチンッ!
「あの噂は本当だったんだ!最低!」

僕は人生初の告白(覗き見しただけ)に思わず動けずに居たら、怒りながら走って来た女の子にぶつかり転んでしまった。それでも動けずに居たら、今度は新谷君にも会ってしまったというバツの悪い出来事が有った。



僕は全く違う事を考えていた事を隠したくて、慌てふためいた。

「…あれぇ?もしかしてぇエロい事考えてた?」

僕は首を大きく横に振り、カウンターを1つ増やした。


 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ