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でも知ってのとおり、人間は前に重心を移さないと椅子から立つことができない。

後ろから肩を押さえられているから私の腰は上がらないのだ。


「ぁ……//」


頬に葉川くんの髪が当たる。

そうこうしている隙に彼の唇が私の首筋を狙った。

怯んだ私が腕をあげて抵抗を試みれば、両側から二の腕をぎゅっと押さえられた。

あくまでこれもマッサージなのか…

二の腕を掴む指も、やわやわと動き出す。


「…く…ぅ…！」


左右から挟みうちにあっている私の身体は、首しかまともに動かせられない。



ﾚﾛ...



せめて首筋を舐めるこの舌を止められたら…！

私は彼をたしなめた。

それに対して葉川くんは、あろうことか耳たぶを口に含んで返してきた。