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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~

第2章 藤堂建築アトリエ事務所


わかったわかった! 考えておくから!
と、適当に流されたけれど。

「……さて」

私はとりあえず歯を磨くことに。

歯ブラシは鞄から出すまでもなく常時置いてあるから、手ぶらで洗面所に直行。

この事務所には洗面所とシャワー室、小型キッチン、さらに快適な仮眠室が整備されていて

もし終電を逃しても困らないように…という気配りがされている──

…いや、違うわね。

いつでも残業しろ、というここのブラックな方針を象徴している。


“ まぁそれに関しては仕方がない… ”


建築業界なんて、この国ではこれが当たり前と言えば当たり前。

良い待遇を望むなら海外で働けばいい。

文句をたれるのもお門違いか。




カラン




あら、来客だわ。




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