後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第9章 詫びのしるし
唇を重ねようとしてきたので、私の掌がそれを防ぐ。
ついでに髪をとかしていた手も払った。
「君から触ったら許さないと言ったわよね」
「この状態でのそれは…っ…フ、辛すぎます」
「そうでこその罰でしょう?」
これは彼にとっての " お詫び "。
事務所での非常識を詫びさせるために、私は彼に罰を与えていたんだって…この時、今さらながら思い出した。
途中からは葉川くんをイカせること、喘がせることに夢中になりすぎていたから。
“ ──…我ながら…何をムキになってるんだか ”
私は彼の口に当てていた手を引っ込めて、鞄を開ける。
言われたように鞄から取り出した四角いパッケージ。その中身はわかりきっていた。
ビリッと袋の端を破って、葉川くんの直勃したモノにゴムを取り付けた。
…負けを認めた相手をさらに追い詰めるメリットなんてないからね。
「もう…イッていいわ」
「つまりこれで僕への罰は…っ、…終わりですか?」
「…そうね。私も意外と楽しめたし」
「楽しめたんですね」
「…!! まぁ…、それなりに楽しんだわ…」
しまった今のは失言。
誤魔化すかたちで、私はすぐにゴムの上から手淫を再開した。