後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第10章 それだけの関係
事務所に戻る車の中──
ふとすれば私は、いつも握っているスマホとタブレットを鞄の中に閉まって、車窓からの景色を眺めていた自分に気付く。
葉川くんに影響されたのかもしれない。
隙あらば確認していたメールボックスも、今だけは忘れておこう…。
「──…ま、君みたいな人はさっさと結婚して子供つくって…身を固めたほうがいいのかもね」
改めてみれば今の私はよく喋るし…
けっこう機嫌がいいみたいね、私。
他人事みたいに考えながら、シートに頭を預けてリラックスしていた。
「ご冗談を」
「……?」