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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~

第11章 かつての男


啓輔( ケイスケ )と付き合っていたのは、去年のクリスマスから四月の上旬まで。四ヶ月弱。

今までの彼氏と比べたら長く続いたほうだったと思う。

彼は中学の時の同級生で、当時 陸上部のエースだった彼は女生徒たちの憧れだった。

お互いに社会人になった私たちが再会して、付き合うことになったのは、それこそすごい偶然で──。






──…



「こんな風にばったり会うの、二度目か…」

「そうね」


湿気を感じる六月の午後。

コンビニの出口で元彼とはち合わせることになった私は、想定外の出来事に面喰らっていた。


「マジでびっくり──…つっても、お前は相変わらず冷静だな」

「…そうでもないわ」


けれど無表情に定評がある私の動揺は、彼に伝わっていないらしい。

それならちょうどいいから、平静をよそおうことにする。


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