後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第14章 消去と諦め
それからシャワーを浴びて、上下の下着だけを身に付けた格好で部屋に戻った。
髪を乾かすまで服は着ない。
まだ眠っている葉川くんを一瞥して、タオルで髪を拭きながら部屋を徘徊した。
ドアの前に脱ぎ捨ててあるズボンを拾ってソファの背もたれに掛ける。
同じように床に落ちていたブラウスはハンガーにかけてシワを伸ばしておいた。
…さて
そんな一連の作業が終わった頃には、曖昧だった昨日のこともある程度思い出してくる。
啓輔と再会したこと。食事に行ったこと。彼と別れた後、今度は駅前で葉川くんに会って──
自分を抱くようにせがみ、二人でこのホテルに来たこと。
そして無限に思える時間を、彼にイカされ続けたことを。